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フジテレビ月9ドラマが三連続で「爆死」?

フジテレビは2023年秋クールから本格的にドラマに力を入れるとし、2023年10月期にはフジテレビは民放最多のドラマ枠を設けるなどしたが、

それ以来結果は散々で、月9枠のドラマは二連続でワーストを更新。

現在放送中の月9ドラマ「君が心をくれたから」についても、負けず劣らず視聴率は悲惨な状況だ。

2023年春に放送されたキムタク主演の「教場0」は、全体の平均視聴率にて9.8%を獲得し、ギリギリ10%近くをキープしたが、

その次の夏から放送した「真夏のシンデレラ」の全体の平均視聴率は5.7%。

そしてその次の秋に放送した「ONE DAY」の全体の平均視聴率は5.3%と、大爆死を遂げた。

これはネット記事などによると、2連続で「月9枠ドラマ」のワースト記録を更新したとのことで、逆の意味での快挙を成し遂げた異例の事態となり、

2023年の夏から冬あたりにかけて、ウェブメディアたちはこぞってネット記事でフジテレビに「爆死」「つまらない」「フジテレビはバブル脳」などと叩きまくった。

そして現在ウェブメディアたちの格好のターゲットになったのが、「ONE DAY」の次に冬の月9ドラマとして放送されている「君が心をくれたから」というドラマ。

このドラマの視聴率は、一番高かった時が第一話の7.2%で、その後はほとんどの回で5%台。

この視聴率は月9ドラマにおいて2連続ワースト記録を更新した「真夏のシンデレラ」や「ONE DAY」とほぼ一緒の数字。

現在の数字を比較する限り、ギリギリ3連続ワースト更新という事態にはならなそうだが、とはいえワースト記録を更新し「爆死」とされた直近のドラマと誤差レベルで、どんぐりの背比べ状態な視聴率にある。

そのためウェブメディアたちは、この「君が心をくれたから」に対しても「爆死」呼ばわりしている状況だ。

フジテレビと仲の良いコラムニスト、怒涛の反論「爆死呼ばわりはアンフェア」

そしてとうとう「爆死呼ばわり」の状況に耐えられなくなったのが、フジテレビのお友達と言っていいコラムニストの木村隆志という人物。

このコラムニストについてざっと説明すると、テレビ、ドラマ、タレントを専門テーマに、メディア出演やコラム執筆などを仕事としていて、

フジテレビの番組である『週刊フジテレビ批評』などの批評番組にも出演したりしているとのこと。

つまりフジテレビとは「お友達」の関係にあり、実際過去にもフジテレビを持ち上げるような記事をたびたび書いてきたコラムニストだ。

このフジテレビのお友達コラムニストは、NEWSポストセブンに「永野芽郁の月9『君ここ』“爆死”は本当か 批判するメディアとSNSに決定的に欠ける視点」というコラム記事を掲載。

内容としては主に「爆死」というフレーズを使ってフジテレビの月9ドラマをコテンパンに叩くウェブメディアと、それに便乗するネット民に怒りの矛先を向けた内容となっていて、

要するに「君が心をくれたから」を「爆死」呼ばわりすることにとうとう耐えられなくなり、「疑問を呈する」という形で思わずコラムを書いてしまったようだ。

コラムニストいわく「ウェブメディアは時代の変化を踏まえてない」

まずこのコラムニストは、「君が心をくれたから」に対してウェブメディアが「爆死」というフレーズを使っていることに対して、「フェアな目線から見ていくと爆死ではない」とし「いつの何と比べた“爆死”なのか」と、疑問を投げかける。

このコラムニストによれば、「君が心をくれたから」の視聴率は、冬ドラマ全体でいうと中位程度の位置付けなので、「フェアな目線で見たら普通だから決して爆死と言われるレベルではない」とのこと。

このコラムニストは、ウェブメディアたちが「君が心をくれたから」を「爆死」呼ばわりしているのは、「リアルタイム視聴が当たり前だった1990年代や、まだ配信視聴がなかった2000年代の月9ドラマと比べてるから」と推測し、「年月の経過による人々の変化をメディアが踏まえず“爆死”呼ばわりしている」と反論した。

その上でウェブメディアたちがこうしたフジテレビ批判記事を書く理由として、「称賛より批判のほうがPVが上がりやすく、爆死などの強烈なフレーズは効果があるから」と指摘した。

見てない奴は黙ってろ!?

このコラムニストは、こうしたウェブメディアのフジテレビ叩きを批判したうえで、「ドラマを見ていない人がこうした書いた記事に同調している」という状況にも嘆く。

このコラムニストは、視聴率以外の主な指標として「配信再生数やTVerのお気に入り登録数がある」と述べたうえで、フジテレビの「君が心をくれたから」は視聴率以外の指標で言えばトップクラスを記録していると指摘。

その上で、根拠が薄くアンフェアな基準で「爆死」というフレーズを使うメディアと同じくらい、それを信じて同調する人々も問題とのこと。

このコラムニストはこうしたメディアやそれに同調するネット民に対し、「そもそもの問題は「見ていないのだから放っておけばいい」ことをわざわざ書いていること」とのことだ。

「逆にドラマを楽しんでいる人は、批判ありきの記事やコメントにわざわざ反論を書き込もうと思わないだけに、“爆死”などと書かれ放題のアンフェアな状況が生まれてしまっています」と、ネットでの評判はアンフェアだと指摘した。

※詳細は記事をご覧ください。

【コラムへの感想1】「嫌なら見るな」から「見ない奴は黙ってろ」に進化?

この記事を読んだ感想として、特に興味を引いたのはネット民に対して「そもそもの問題は「見ていないのだから放っておけばいい」ことをわざわざ書いていること」と言ったこと。

あたかも「見てない奴は黙ってろ」と言わんばかりの物言いは、

フジテレビのフレーズとして有名な「嫌なら見るな」に近い匂いを感じますが、

フジテレビとお友達といっていいコラムニストさんがネットに対して「見てない奴は黙ってろ」と言わんばかりの文章を書いたのは、いろいろな意味で印象的と感じました。

【コラムへの感想2】テレビ局全体が爆死するなか、フジテレビだけを爆死呼ばわりはアンフェア

たしかにこのコラムニストの木村隆さんが言う通り、フジテレビのドラマだけを叩くのはフェアではないといえるでしょう。

他にももっと視聴率で悲惨なドラマなんかたくさんあるし、2023年以降は全てのテレビ局の視聴率がヤバくてみんな爆死状態なのに、

フジテレビ様だけがぶっちぎりのスピードで先頭切って転落してるっていうだけで、フジテレビ様だけ「爆死」呼ばわりするのは確かにアンフェアだと思いました。

【コラムへの感想3】ただし、今の視聴者が楽しむのは「テレビ番組」ではなく「テレビ局」です

このコラムニストさんは「時代の変化」について言及したのでお話すると、

「令和のテレビの楽しみ方」は、「テレビ局が作る番組を楽しむ」ではなく、視聴率やネットの炎上に右往左往するテレビ局を楽しむものに変化しています。

これはテレビ業界内の内側にいる人間には恐らく分からない感性かもしれませんね。

ウェブメディアたちがドラマについて叩く記事を書いたり、ネット民がそれに便乗して「ドラマ見ない」とか言ったりしたとしても、

それはドラマそのものを純粋に批評しているというよりは、そのドラマを通じて感じる、テレビ局の右往左往っぷりを楽しんでいるというのが実態と思われます。

つまり「時代の変化」でいえば、もはやテレビ局がどんな番組を作るかなんて言うのはネット民にとってはどうでもよく、

その番組を通じて感じるテレビ局の内情、芸能界やテレビの闇など、

そういうテレビ界隈そのものを怖いもの見たさで覗き見て楽しむのが「令和のテレビの楽しみ方」と言えるでしょう。

【疑問】このコラムのネット記事への偏向報道っぷりが「アンフェア」に見える件。

一方で、木村隆志さんはネット記事に対して「アンフェアだ」としてますが、では、果たして木村隆志さんのウェブメディアに対する姿勢は果たしてフェアなのでしょうか?

このコラムニストが取り上げた「アンフェアな記事」として挙げられている記事の一つに、「永野芽郁『君が心をくれたから』まるで“不幸の幕の内弁当”…視聴者離れ深刻で「月9ワースト」更新が現実味」という記事があります。

木村隆志さんが言うところの「アンフェアな記事」には、「君が心をくれたから」が「爆死」と言っていい理由として重大な指摘がされています。

それが「着目すべきは視聴率の “高低” ではなく “推移”」という指摘です。

この記事では、君が心をくれたからは第一話にて視聴率が7.2%を取れていたにもかかわらず、

第2話で一気に5%台まで下落し、その後ほとんど上昇の見込みがないことを指摘してます。

実際この記事では「TVerなどの配信で視聴する非リアルタイム視聴勢も増えているため、視聴率が “高いか低いか” はさほど気にする必要はなくなっている」とも書いていて、

しかしそのうえで「『君が心をくれたから』の場合、リアルタイム視聴勢が離れていっているのが明白だから問題だ」と指摘。

「仮に視聴率3%台とかなり低めからスタートしたドラマでも、回を重ねるごとに上昇するなら低視聴率でも「良作」「好調」と評されるが、「君が心をくれたから」はその逆で下がり続けている」ことが問題だとしているのです。

このドラマ単体だけで評価した場合でも、現に第1話の段階で視聴率は7.2%あったにもかかわらず、そこから5%台に下落した以上、「このドラマに興味を持っていたけどあまり面白くなかったので見なくなりました」という人たちがいる事実も存在するのではないでしょうか?

なにより「爆死呼ばわりするメディアたちはアンフェア」とした木村隆志さんは、コラムにおいて「メディアは時代や人々の変化をメディアが踏まえていない」と批判していますか、

木村隆志さんが非難した「アンフェアな記事」は、きちんと時代や人々の変化を踏まえたうえで、「君が心をくれたからが視聴者の関心をつなぎ留められていない」という主旨の記事になってます。

にもかかわらず「爆死」というフレーズだけを取り上げ、記事の内容を精査せずに「年月の経過による人々の変化をメディアが踏まえてない」というのは、それこそアンフェアではないでしょうか?

木村隆志さんは記事において、"そもそもの問題は「見ていないのだから放っておけばいい」ことをわざわざ書いていること"と言ってますが、

それを言うなら木村隆志さんも「アンフェアな批判なんか見ないで放っておけばいい」と考えることはしないのでしょうか?

「君が心をくれたから」を含めてテレビが番組が本当に世間から人気なら、こんな「アンフェアな批判」なんか目にも入らないと思うのですが・・・。

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