ガラガラの劇場で盛大に爆笑できる商業スペース貸し切りスタイルの非日常体験!
怒涛のギャグ展開が腹筋を直撃!
一周回って果てしなさすぎる、全米じゃなくて閑古鳥が泣く覇権ギャグ映画!
ということで、今回はパウラちゃんねるが細田守監督の最新作「果てしなきスカーレット」、略して「果てスカ」を自腹で観てきたので、実際に映画館に足を運んだ映画体験の感想レビューをお届けしたいと思います!
果てスカ製作さん、これからいっぱいこの映画の見どころを褒めて褒めて褒めちぎるので、1000万円くらいください。
ちなみにこの記事では果てしなきネタバレをしていくスタイルです。
これから果てスカを心の底から楽しみたいという人は、映画を見た後にこの記事を読んでくださると嬉しいです。
それではまず結論として、果てスカを見たざっくりとした感想がこちらです!
- ガラガラの観客席という「貸し切り商業スペースのど真ん中で爆笑できる」という果てしなき非日常体験!
- 破綻したストーリーと映像表現から繰り出される果てしなき怒涛のギャグ展開が腹筋を直撃!
- 全米どころか閑古鳥が泣く、一周 回って果てしなき今年の覇権映画!
・・・という感じで褒めて褒めて褒めちぎっていきたいと思います。
■あらすじ:虚無と言われた果てしなき超展開
まずは一応簡単に、この「果てしなきスカーレット」について紹介しておきます。
この映画は日本を代表するアニメ監督・細田守の最新作。
主人公兼ヒロインである、中世ヨーロッパのお姫様「スカーレット」役は芦田愛菜さん。
昭和の高校野球児みたいな髪型をしている現代日本の看護師青年「聖くん」役は岡田将生さん。
そしてスカーレットの復讐相手にして悪の親玉「クローディアス」役をしているのが役所広司さんです。
物語はシェイクスピアの「ハムレット」がネタ元になっているので、「とある中世ヨーロッパの国のお姫様であるスカーレットが、王様である父ハムレットを叔父のクローディアスに殺され、その復讐をする」という構成になっています。
しかしストーリーは超展開。「死者の国」と称した異世界転生みたいなファンタジー世界に飛ばされたスカーレットちゃんが、どういうわけか現代の日本の昭和感ただよう髪型の野暮ったい看護師青年である聖くんとばったり出くわし、異世界にてなぜか悪の親玉と化した憎き「クローディアス」に復讐するために、一緒に大冒険するという謎展開です。
この内容だけだと意味が分からないと思うので、パウラちゃんねるなりにギュッと要約すると――、
- 父親を悪の親玉に殺され憎しみにとらわれたヒロインが「復讐は何も生み出さないわ!」に気付く。
- 異世界から現れた髪型昭和な日本人男性と幸せなキスをして終了。
- ファンタジー要素は夢オチ(同然)という果てしなき怒涛の超展開で回収。
という感じですね。
この映画は11月21日から放映が始まったわけですが、「脚本も監督もあの細田守がやっている」ということで圧倒的な映像美と全米が泣くレベルの感動物語から「今年の覇権」候補の一つとして前評判が良かったそうでした。
しかしいざ公開されたら酷評の嵐が殺到。まるでインフルエンザの時に見る悪夢のような果てしなき超展開のオンパレードのせいで「虚無」と言われてしまいました。
なおこの果てスカでは「虚無」というのが一つのキーワードになっていることは、映画を見ている人だけが知っているお話ですね。
という感じで一通り映画の概要は紹介できたので、ここからはパウラちゃんねるなりに、私たちの腹筋を直撃したこの果てスカの果てしなき怒涛のギャグ展開について見ていきます!
■ガラガラの観客席のど真ん中で爆笑できる圧倒的非日常体験
映画と言えば「非日常が体験できる」というのが一つの醍醐味だと思いますが、この「果てスカ」は他の映画では滅多に味わえない、とある圧倒的非日常が味わえるポイントがありました。
それがズバリ「ほぼ貸し切りで映画が楽しめた」というところです!
何言ってるんだよと思うかもしれませんが、映画は非日常を味わってこそなんだから、映画館に入った瞬間から映画体験は始まっているのです。
まあたしかに、たいていの不人気映画ですらそこそこお客さんが入っているものだと思うけど、パウラちゃんねるが見に行ったときは、まだ一週間も経ってない映画なのに、四捨五入したらお客さんゼロ人状態で実質貸し切りと言って差し支えないレベルでした。
もちろん、パウラちゃんねるはこの果てスカを劇場のど真ん中ポジションで占有しましたからね。他のお客さんに気を遣わずにトイレに行ける、のびのびとした超快適空間で映画を楽しむことができました!
映画本編はのちほど深掘りしますが、中途半端に映像はいいし、怒涛のギャグ展開もあるので、そこまで退屈はしませんでした。一応「懲役2時間」を覚悟して鑑賞していたので「見るのが苦痛」というほどでもなく、なんなら「広い商業スペースを独り占めできる」という圧倒的非日常体験も味わえたこともあって、ちょっとあくびが出たくらいで、そんなに退屈ではありませんでした。
「世界の中心で愛を叫ぶ」が日本映画なら、「商業スペースの中心で爆笑できる」がこの果てスカ最大の魅力ということですね!
むしろ、赤字覚悟で“貸し切り映画という非日常体験”を提供してくれた映画館には圧倒的感謝です。
ぜひ「商業スペースの貸し切り」を味わいたいお兄様とお姉様は、ぜひこの映画のチケットを買いましょう!映画代も場所代だと思えばとってもお得ですからね!
なお貸し切りじゃなかったとしてもパウラちゃんねるは責任取れないので、自己責任でイキましょう!
■期待を上回る果てしなき怒涛のギャグ展開
それでは映画本編の感想を話していきたいと思いますが、この映画はギャグ映画として一周回って果てしなき覇権アニメと言っても過言ではなかったですね!
パウラちゃんねるでは、事前にネット情報で「果てしなき虚無ストーリー」というのを知っていたので、懲役2時間になることを覚悟して、この映画のヒロイン・スカちゃんのように死地におもむく覚悟で鑑賞しました。
ストーリーの展開は先ほど紹介した通りなのでもうこれ以上触れませんが、この映画は展開がシリアスになればなるほど、腹筋を刺激しまくり10分に1回くらいの頻度で変な笑いが出てしまうレベルでした。
絶妙にダサい3DCGと背景
この映画は細田守監督作品という事で、背景や景観なんかは3DCGで作られているわけだけど、これが良くも悪くもAIで作ったみたいな感じだったり「写真を加工して作った背景かな」と思うような部分もチラホラあったりで、なんかその違和感が一周回って絶妙な笑いを誘う感じになっていました。
キャラクターも一部のシーンを除いてほとんどが3Dで作られたキャラクターなのですが、キャラクターたちの元々のデザインが絶妙にダサいせいで、3Dでモデリングしたキャラは平成感丸出しで全部ダサかったです。さらにモーションも10年前のクオリティでアクションシーンなども絶妙にダサいので、戦闘シーンは見れば見るほど「ダサいな」って思ってしまいました。
更にはキャラクターの表情やリアクションも絶妙にダサいので、大袈裟なリアクションになればなるほどパウラちゃんねるの腹筋は刺激されまくりましたね。シリアスな展開になればなるほど、随所で腹筋を刺激しまくってた件。
東京の街並みと謎のダンスシーン
あと、この映画はシェイクスピア題材という事で、メインのモチーフが中世のヨーロッパなのに、どういうわけか現代の日本人男性が唐突に現れて一緒に冒険する謎展開なので、この日本人男性の回想シーンとかで東京の都心の街並みが描写されるのですが……。
その3DCGで描かれる東京の街並みの背景動画は10年前どころか20年前のクオリティで、異世界空間の背景の緻密さとのギャップが凄くて、ただの背景動画シーンなのに笑ってしまいました。
そしてこの映画最大の見どころが、映画の中盤の展開で唐突に挿入されるスカーレットちゃんと日本人男性くんのダンスシーン。
映画の中盤辺りで、中世ヨーロッパ出身のスカーレットちゃんが、現代日本の女の子に転生して、真昼の渋谷のスクランブル交差点みたいなところで、スカーレットちゃんと共に何百人もの歩行者たちが狂ったように謎ダンスをキメるという爆笑シーンが描かれ、ここでとうとう、パウラちゃんねるの腹筋は崩壊しましたね。
これは劇場のど真ん中で爆笑できる果てしなき傑作シーンと言っても過言じゃないですね。インド映画を超えました。
役所広司の迫真のキレ芸
その他の面白かったところとしては、悪の親玉「クローディアス」を演じる、役所広司さん迫真のキレ芸が面白かったですね。
スカーレットの叔父でもあり、悪の親玉「クローディアス」の役を担当しているのが役所広司さんなんだけど、この悪の親玉が最後のほうでモロに役所広司丸出し。
クローディアスは映画の終盤で怒涛の逆ギレをかますんだけど、一人でキレ散らかす叔父の声を聴いて「あ、役所広司だ」と気づくくらいには役所広司が出てたんだよね。そしてヒロインの顔にツバを吐いたり、逆ギレかますときの演技は完全に役所広司にしかできない逆ギレっぷりで最高!
もはや実写で役所広司にしてくれたほうが面白いまであるくらいに役所広司っぷり満載のキレ芸を披露してくれて、これが笑えました。
生きたい!イキたい!
それと、そのほかの見どころとしては、序盤の2Dで描かれる少女時代のスカーレットちゃんはかわいかった。
たぶん映画の大部分を占める異世界空間のスカーレットはほぼ全て3Dで、中世ヨーロッパのスカーレットは2Dの作画という分け方がされていたと思うんだけど、「それなら全部2D作画で描いてよ、もったいないなー」と思うくらいに2D美少女なスカーレットちゃんはかわいかったですね。
あと映画の終盤でスカーレットちゃんが、日本人男性から「生きたいと言え!」と何度も何度も言われたから、スカーレットちゃんは「生きたい!生きたい!生きたいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」って叫ぶんだけど……。
この「イキたい!」が別の意味に聞こえちゃって腹筋を直撃しました。
イキたい!イキたい!イキたいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!
■イマイチポイント:映像クオリティの謎
とまぁこんな感じで褒めて褒めて褒めちぎっただけで終わるのもあれだから、最後に一応、イマイチポイントについても紹介しておきます。
まぁ話とか展開が破綻しているのは覚悟のうえだったからべつにどうでもいいんですけど、爆笑できたとはいえ、映像のクオリティが絶妙にダサくて、正直「細田守の映画にしてはクオリティがイマイチじゃね?」と思いました。
確かに前作の「竜とそばかすの姫」も物語は酷かったけど、反対に映像だけは物凄かったですからね。それに比べて今回の果てスカの映像は、良くも悪くも普通って感じだし、あとはデザインがかなりダサかったです。
まず夢落ちみたいな扱いだったファンタジー世界のファンタジーな描写については、良くも悪くもAIで作ったのかなって感じで綺麗だったのは間違いないのと、先ほど話した通りで2D作画で描かれたスカーレットちゃんは可愛かったんですが……。
ただこの作品の大部分を占めるファンタジー世界でのキャラクターはほとんどが10年前クオリティの3Dモデルで作られているし、異世界空間での日常パートもアクションパートも戦闘パートもだいぶレベルが低かったですね。
一周回って腹筋を刺激しまくってたけど、まぁぶっちゃけダサかったです。「異世界での戦闘を2次元で作画するのが面倒くさかったから3Dで作ったのかな」と疑いたくなるくらい、やっつけ戦闘シーンが多かったのは気になりました。
最後の演説シーンの破綻
そして最後の方になると作画のクオリティもだんだん怪しさが目立ってきて、最後に王女になったヒロインが民衆の前で「私は愛と平和のために頑張るでち」って演説をかますシーンが描かれるのですが、なぜかそこがでっかい樹がてんてんと生い茂る謎の空間に群衆がぎっちりと敷き詰められているという謎シーン。
王女様が演説するのでたぶんお城の前に民衆が集まっているシーンだと考えられるのですが、にもかかわらず街並みとかお城の外壁とかが描かれるのではなく、でっかい樹がてんてんと描かれる中に群衆がいるという謎空間。
悪い意味で「AIで作画したのかな」とか疑いたくなる、モロに破綻した絵だったのが気になりました。
ヒロイン以外のキャラクターデザインは全部ダサかったし、それを2D作画じゃなくて3Dのモデルで作っちゃったもんだから、そのダサさがパウラちゃんねるにとっては絶妙にギャグとしてハマったわけだけど、まぁそれはあくまでパウラちゃんねるの感想だから、笑えない人にとっては懲役2時間コースになりかねないわけですね。
■まとめ
ということでそろそろまとめに入りたいと思います。
結論!
ガラガラの観客席で破綻しまくった映像という怒涛のギャグ展開に笑わせてもらう、貸し切り商業スペースのど真ん中で爆笑できる果てしなき圧倒的非日常体験が味わえて楽しかったです!
真面目な意味で「感動できる映画が見たい」なんていう、細田守の映画に決して求めてはいけないものを求める人にはいっさいオススメはできませんが、商業スペースの貸し切りという非日常体験を、そこそこのクオリティの映像で楽しめると言うのは、非日常体験を味わわせてくれる映画の中でもめったにできないスタイルの果てしなき非日常体験と言っても過言ではありませんでしたね。
細田守!
赤字覚悟で貸し切り映画という非日常体験を提供してくれたことに、圧倒的感謝をするぜ!

