上京の勢いで買った200個入りのコンドームが、3年後もきっちり200個残っていた。こんなに数字が減らないことで笑いを取る話、なかなかない。
話題の起点になったのは、のぎへっぺんさんのX投稿。本人いわく、上京時に「これで童貞卒業するぞ」と気合いを入れて箱買いしたものの、3年後に残数を確認したらまさかの変動ゼロだったという流れだ。
話題の起点になったXポスト




いや、200個は夢がデカすぎる。3個入り、6個入りならまだ「準備してるな」で済む。12個入りでもまあ、未来に期待している感じがある。だが200個はもう備蓄。恋愛というより物流の発想である。
ネットで刺さったのも、そこだと思う。笑われているのはコンドームを用意したことではない。むしろ避妊具を持つ意識自体はちゃんとしている。問題は、人生のイベント発生率を完全に見誤ったまま、在庫だけがプロ仕様になってしまったところだ。
しかもこの話、ただの自虐で終わらない。投稿に添えられていたスクショでは、部屋に輪ゴムがないから代用品として使えないかと考え、ドライバーに噛ませて摩擦を増やす用途に転用しようとする流れまで出てくる。初使用がそれなのか。そこがまた妙に生活感があって、余計に切ない。
さらにオチとして、使ってみたらネジ穴がぬるぬるになってしまったらしい。大事な場面を待ち続けた200個入りの箱が、ようやく出番を得たと思ったら工具まわり。これはもう、道具側にも少し同情したくなる。
JINでもこの話題が紹介され、ネット上では「200個はさすがに多い」「残量開示で自分の傷を広げている」「笑ったけど泣ける」系のツッコミが一気に広がっていた。分かる。人は他人の失敗を笑っているようで、実は自分の中にある“見積もりの甘さ”を見ている。
上京って、妙に万能感がある。新しい街、新しい部屋、新しい自分。なんなら恋愛イベントも勝手に発生する気がしてくる。私も上京じゃなくても、新生活のたびに「ここから人生変わるぞ」と思って、結局変わったのはスーパーの最寄り店舗くらいだった経験がある。人間、環境が変わると未来の自分を少し盛って見積もる。
だからこの投稿が拡散されたのは、単に下ネタだからではない。若さの勢い、過剰な期待、そして3年後に現実が棚卸しされる残酷さ。その全部が「200個残ってる」という数字に詰まっている。こんなに短い言葉で人生の読み違いを表現できるの、ちょっと強すぎる。
もちろん、用意しておくこと自体は悪くない。そこは絶対に笑うポイントではない。笑うべきは、夢の在庫だけが減らず、最初の活躍が工具補助になってしまったという、人生の妙なズレである。
200個入りの箱は、今もどこかで次の出番を待っているのかもしれない。恋愛か、DIYか。できれば次こそ、本来の部署に配属されてほしい。

