AIに画像を預けて、編集を頼む。そのデータを見ているのはAIだけだと思っていたら、少し話が変わってきます。
米メディアの404 Mediaは、Microsoft Copilotの利用者が送ったプロンプトやアップロード画像を、契約スタッフがレビューしていると内部文書をもとに報じました。しかも、レビュー担当者には性的なAI画像の作成・編集依頼が相次いでいるそうです。
報道したJoseph Coxの投稿も、海外Xで広く読まれています。
New: when you upload images to Copilot, they're not private. Human contractors are reviewing Copilot users' prompts/images, according to internal docs we got
— Joseph Cox (@josephfcox) September 28, 2026
And they're horrified at what they're seeing. Bombarded with requests to make sexual AI images https://t.co/iMLtRtYz4p
■日本語に訳すと■
新着:Copilotに画像をアップロードすると、それらはプライベートではありません。私たちが入手した内部文書によると、人間の契約社員がCopilotユーザーのプロンプト/画像をレビューしています。 そして、彼らは見ているものに恐怖を感じています。性的なAI画像を作成するリクエストで溢れかえっています
レビュー担当者が見ていたのは、生成画像の「出来栄え」
404 Mediaによると、契約スタッフはCopilotの改善を目的に起用され、利用者の依頼文やアップロード画像、AIが生成した画像を確認して、指示に沿った出力になったか評価していました。報道が挙げたのは、女性の服を短くして肌の露出を増やす、胸を大きく見せるといった編集依頼のほか、スカートの中を撮影した画像や、女性を性的なポーズにする依頼などです。
ここは少し補足しておきたいところ。報道で紹介されたレビュー業務のひとつは、生成結果がプロンプトに合っているかを確かめる品質評価です。すべての画像を人が見ているとか、リアルタイムで監視していると報じられたわけではありません。また、内容を安全面からチェックする作業と、依頼どおりに画像ができたかを見る評価は、同じ「レビュー」でも目的が異なります。
それでも、自分が送った画像や指示文を契約スタッフが目にする可能性があるなら、「AIにだけ渡したつもりだった」という利用者には驚きでしょう。記事には摂食障害に関係する内容への注意書きもあり、レビュー対象の話は性的な画像だけに限らないこともうかがえます。
海外Xでは「人に見られると思っていなかった」という声も
Joseph Coxの投稿についた返信や引用ポストには、「プライベート」という言葉の受け止め方を気にする反応がありました。以下は、海外ユーザーの投稿を日本語に意訳したものです。
Daryll Jr.(@cooldaddpj):多くの利用者は、アプリでいう「プライベート」を「誰にも見られない」という意味に受け取る。利用規約は人によるレビューを認めていることが多いが、そこまで読む人はほとんどいない。顔など、識別につながる情報がある画像をレビューする際の扱いは、資料に書いてあるのか。
TheLatestNate(@TheLatestNate):大手AIサービスでの利用にプライベートなものなどない。向こうにはすべて見えている。
Vorname MitD(@vornamemitd):人手レビューがなくなるのは近いかもしれないが、議論すべきはプライバシーやデータ保護の全面的な侵食ではないか。AIがあらゆる技術に不可欠になり、政府や研究機関が私たちの日常をリアルタイムで見られるようになることについて、声を上げよう。
Most people read private in these apps as meaning nobody sees it. The terms usually leave room for human review, and almost nobody reads that far. Did the docs say how reviewers are told to handle images w/ faces or other identifying details?
— Daryll Jr. (@cooldaddpj) September 28, 2026
Let's be clear. Nothing you do with any of the big AI products is private
— TheLatestNate (@TheLatestNate) September 28, 2026
They have access to everything https://t.co/Q217ugLbcb
The need for human reviewers will vanish soon, can we get back to issue of total erosion of privacy/data protection? AI might get paced, but will become an essential part of every tech. Unfettered gov and lab access to look at our life in real-time. Lets rage about this rather?
— Vorname MitD (@vornamemitd) September 28, 2026
この3件はあくまで個々の利用者の反応です。「大手AIならすべて同じ」といった広い主張まで、今回の報道だけで裏付けられたわけではありません。一方で、利用規約やデータの扱いを細かく読まないまま使っている人が多いのでは、という不安は伝わってきます。
Microsoftの公開ノートは「個人アカウント向け」
MicrosoftのCopilot透明性ノートは、Microsoftアカウントでサインインした個人向けCopilotについて説明しています。職場や学校のアカウントは別の資料が対象です。同ノートには、Copilot Visionへアップロードされた画像は会話終了後30日以内に削除されるとの記載もあります。
ただし、この保存期間の説明だけでは、今回の報道にあるレビューでどの画像が選ばれるのか、すべての画像を誰かが見るのかまでは分かりません。Microsoftの公開説明と404 Mediaが内部文書から報じたレビュー手順は、同じ説明としてまとめずに読む必要があります。報道の出典は404 Mediaの記事です。
画像をアップロードする前に、共有範囲を確認したい
生成AIに画像を渡すとき、「AIが処理する」ことは想像していても、品質評価のために人が見る場合まで意識している人は多くないかもしれません。今回の報道が示したのは、少なくともCopilotの一部の作業では、依頼文や画像が契約スタッフのレビュー対象になっているということです。
顔や住所、個人を特定できるものが写った画像、他人には見られたくない写真を扱うなら、アップロード画面や適用されるプライバシー説明を一度確認しておくのがよさそうです。AIだから自動処理だけ、と思い込まず、どんなデータがどの目的で使われるのかを見ておきたいですね。

